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無線通信に重要な基地局とは?仕組みや種類・無線機使用のメリットも

基地局は、携帯電話やIP通信機で無線通信を行う際に重要な役割を果たしています。普段何気なく使用している携帯電話は、基地局によって中継され、電波のやりとりが行われます。

当記事では、無線通信がどのように行われているのかや、基地局の役割と種類について詳しく解説します。また、通信を行う方法としては携帯電話以外に無線機という選択肢もあります。無線機と携帯電話の違いとそれぞれの特徴についても解説するため、業務に通信機を導入したい方は当記事をぜひ参考にしてください。

 

無線通信で活躍する「基地局」とは?

基地局とは、携帯電話でインターネットに接続したり通話したりする際に、携帯電話端末と電波のやりとりをして交信する場所です。携帯電話の基地局はBS(ベースステーション)と呼ばれることもあり、一般的にはアンテナと送受信機で構成されています。

携帯電話の通信キャリアは、日本中をカバーできる通信ネットワークを構築し、利用者に携帯電話サービスを提供しています。キャリアからみると、ネットワークの末端であり、利用者サービスを提供するための最前線の設備が基地局です。

1つの基地局で通話できる通信量は決まっているため、都市部や繁華街などの人出が多い場所には、多くの基地局が設置されています。

出典:総務省 電波利用ホームページ「携帯電話基地局とわたしたちの暮らし」

 

携帯電話がつながる仕組み

携帯電話はテレビやラジオの放送のように電波を使用して通話を行います。携帯電話から発信すると、近くの基地局で電波を受信します。基地局で受け取った電波は光や信号に変換され、光ファイバーというケーブルでつながれた中継地点である交換局に送られます。

交換局では届けたい相手の近くの基地局を選択して信号を送り、基地局が信号を電波に変換し、相手の携帯電話と通話できるシステムです。

基地局や交換局など複数の施設を経由するのは、1つの基地局では電波を送れる範囲が狭く、日本中をカバーできないというのが理由です。1つの基地局で電波を送れる範囲は、狭いものだと半径数十m、広いものでも半径数kmとされています。全国ほとんどの地域で通信ができるように、多くの基地局が設置されています。

基地局や交換局は通信キャリアがそれぞれで整備していますが、各社の交換局の一部が別会社の交換局とケーブルでつながっているため、違う通信キャリア同士でも通話可能です。

 

「基地局」の種類

基地局は、特徴や見た目が異なる4種類に分けられます。それぞれの基地局について紹介します。

・鉄塔タイプ

鉄塔タイプは、20~50mほどの高さがあり、高速道路沿いや郊外などの広い場所に設置されている基地局です。半径3~6kmと広範囲の通信をカバーできます。

・ビル設置タイプ

ビル設置タイプは、ビルやマンションなどの屋上に設置される基地局です。半径1~3kmの通信のカバーが可能です。ビル設置タイプは、さまざまな形状のものがあるため、一見すると基地局と分からないものもあります。屋上の空きスペースを活用する1つの方法として、基地局が設置されているケースもあります。

・小型基地局

小型タイプは、主に電柱に設置される小型かつ軽量な基地局で、コンクリート柱タイプとも呼ばれます。半径200~500mと小規模のエリアが通信対象であり、住宅街などの狭い場所に設置されているのが特徴です。住宅街では、自宅にいる人が携帯を利用すると、電波が1つの基地局に集中してしまいます。1つの基地局で受信できる電波には限りがあるため、小型基地局を増やし、通信環境の改善に取り組んでいます。

・屋内基地局

屋内タイプは、建物の内部や地下街などの電波が届きにくい場所に設置される基地局です。半径約30mと狭い範囲の通信をカバーし、見ただけでは基地局と分からないような、非常に小さい見た目をしています。屋内基地局は、屋外基地局の対象外エリアである地下や高層階などでも、安定した通信が提供するために設置されています。

 

無線通信の基地局は安全?

無線通信で使用される電波の人体への影響は、50年以上にわたり世界各国で研究が行われてきました。研究の結果、電波は人体に「熱作用」および「刺激作用」を及ぼすことが分かっています。

熱作用とは、約100kHz以上の周波数の電波が人体に当たるとエネルギーの一部が人体に吸収され、熱を持つことです。体温が上昇するとストレスを感じ、人体に有害な影響があらわれることもあります。刺激作用とは、約10MHz以下の低い周波数の電波が人体に当たり、神経がチクチク・ビリビリと刺激を感じる作用です。

人体に熱作用や刺激作用のような悪影響が出ないように、電波の利用に関して国が厳格な基準を設けています。総務省は、約50年以上にわたる国内外の研究結果に基づいて、1990年に電波の人体に対する安全性の基準を「電波防護指針」として策定しました。

携帯電話の基地局は、電波防護指針を満たしていると確認した上で設置されているので、近くに基地局があっても安全です。

出典:総務省 電波利用ホームページ「携帯電話基地局とわたしたちの暮らし」

出典:総務省 電波利用ホームページ「電波防護指針」

 

業務用通信には無線機もおすすめ

業務用の通信を行う際携帯電話ではなく無線機を導入する企業もあります。同じ通信機能を持つ機械ですが、無線機と携帯電話には、通信性能や使い勝手に大きな違いがあります。

無線機と携帯電話では、通話人数が異なるのが大きな特徴です。携帯電話は一度に1人の相手としか通話できないのに対して、無線機は通信エリア内にいるチャンネルを合わせている全員と会話が可能です。1人と会話できる機能が付いた種類もあるため、シーンによって使い分けができます。

また、無線機は操作性が携帯電話と比べて使い方がシンプルというメリットがあります。無線機は、通話の際に送信ボタンを押しながら受話器部分に向かって話すだけなので、電話番号などを用意する必要はありません。

無線機は、携帯電話よりも利用料金が安くなる可能性が高いため、業務で通信を行う際におすすめです。

 

無線機の種類

無線機にはいくつか種類があり、性能や無線の飛距離などが異なります。代表的な3種類の無線機を紹介します。

・特定小電力トランシーバー

特定小電カトランシーバーは、使用時に免許や登録が不要な無線機です。電波の送信距離は200m程度と短く、狭い範囲での通信に利用されます。遮蔽物や障害物があるところだと電波が届きにくいため、仕切りの多い場所での使用はおすすめできません。無線機本体は安価で購入でき、小型で持ち運びに便利というメリットがあります。

・簡易業務用無線機

簡易業務用無線機は、最大5km離れていても連絡を取り合うことができる出力の大きさが特徴です。遮蔽物や障害物の影響を受けにくく、仕切りの多い場所での使用も問題なく行えます。簡易業務用無線機を使用するには、総務省管轄の「総合通信局」で免許を取得するか、登録局への申請が必要です。申請費用や電波使用料を支払うためコストが高いというデメリットがありますが、登録局の無線機の場合はレンタルでも利用が可能です。

・IP無線機

IP無線機は、携帯電話会社の基地局を用いて通信する無線機です。携帯電話がつながるエリアであれば、離れた距離でもコミュニケーションを取ることができ、障害物にも左右されない安定した通信が可能です。ただし、携帯電話の回線を利用しているため、使用の有無に関わらず通信料を支払う必要があります。また、森や地下など携帯電話が圏外になるエリアでは利用できません。

 

まとめ

基地局とは、無線通信を行う際に電波のやりとりをする拠点となる場所です。携帯電話を使用する際、電波は信号や光に変換されながら基地局や交換局を経由して相手に通信がつなげられます。

基地局は携帯電話を利用するときに必要不可欠なものですが、無線機であれば基地局を利用せずに無線通信が可能です。無線機には複数の種類があり、通信ができる距離や遮蔽物に強いかどうかが異なるため、目的にあった無線機を選ぶとよいでしょう。

 

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