
無線機は災害時に活躍する?
日本は別名「災害大国」といわれており、特に地球温暖化によって暴風雨などの発生頻度が増えています。
人命を大切にするためにはいかに正確な情報を伝えるかが重要になります。
そこで正確な情報を伝えるために、近年再注目されているのが無線機の存在です。
発信した電波で連絡を取り合うのが無線機
無線機は電波発信機と受信機が内蔵された機器であり、言葉を電子情報にして電波として発信し携帯電話の回線に通します。
携帯電話の回線を通った声の電子情報が入った電波を、今度は別の場所にある無線機が受信することによってやり取りをおこなう機器です。
携帯電話との違いは中継地点があるかないか
携帯電話の回線を使うため、携帯電話でも十分ではないかと考える人が多いです。
実は携帯電話と無線機では、決定的に違う点があります。
携帯電話は、発信した電波を一度中継地点になっている電波タワーに送るということです。携帯電話で話した内容も、内蔵されている機器によって声の情報を電子化して発信します。その発信した情報を各地に存在している電波タワーに送って中継し、その中継した情報を別の回線に送って送信し別の場所の携帯電話に届くという形になるのです。
問題は、この中継地点に一度送ると言う流れになります。中継地点に送ることによって遠いところにいても、壁などの障害物の影響を受けずに電波を送受信できるので時間差がなくきれいな音声で聞くことができます。
しかし一度中継地点に送るということは、それだけ大量の情報が中継地点のタワーに集約されることを意味するのです。
災害時では安否情報や現状の状況を逐一伝えないといけないので、中継地点のタワーには大量の情報が流れ込みます。
いくら高性能の容量を誇っていても、災害時では不特定多数の人間が一度に携帯電話を使うので容量の限界に近付いてしまいます。
容量の限界に近付いた場合、その負荷をなくすために強制シャットダウンをする仕組みになっているので連絡が取れなくなる場合があるのです。
さらに災害時の影響で中継地点のタワー自体が倒壊をすることになれば、その中継地点が賄っていた部分に情報がいきわたらなくなるので正しい情報が伝わらなくなります。
それではリアルタイムで進行する状況において、人命が第一なのに正確な情報が伝わらないことで2次災害を引き起こすことにもなりかねないです。
その点無線機であれば、その情報を携帯の回線を使う場までは同じなのですが中継地点に送るということはしないです。
無線機で送った情報はすべて、受信機が内蔵されているので直接情報が送り込まれます。
直接情報が送り込まれるので、無線機が故障したということがない限りは正確な情報がすべてリアルタイムで伝えられることを意味するのです。
すべて特定の周波数を予め設定しておけば、一か所で発信した情報をすべて周波数に合わせられれば瞬時に送ることができるのでより多くの情報を一斉に送れるのがメリットです。
無線機には4つの種類がある
無線機は災害時に役に立つといいましたが、事前に知っておかなければならないのが機器の中には状況によっておすすめしないもしくは国家試験を合格しないと使えないものがあるということです。
一般的に無線機には4種類ありますので簡単にまとめてみました。
① 特定小電力タイプ
最もポピュラーといえるのが特定小電力タイプです。
特定小電力タイプはトランシーバーやインカムといった小型なのが特徴で、電波自体も強力ではないので学校や祭りなどの小規模のイベントに用いられます。
この特定小電力タイプは免許が必要ないのがメリットですが、やはり電波の発信力が弱いため距離が遠かったり、壁などの障害物があると届きにくいので野外の避難先で使うのには最適ですが情報送信や誘導するときにはおすすめできません。
② デジタル簡易タイプ
特定小電力タイプのデメリットをある程度解消したのが、2つ目のデジタル簡易タイプです。トランシーバーやインカムと違って、電波の発信と受信を少し強めにしたものです。
電波を強くしたことによって届く距離が広がり、災害時ではぎりぎり役に立つレベルにはなっています。
このデジタル簡易タイプは特定小電力と同様に免許資格は必要ではないのですが、発信する周波数がインターネットなどに影響を与えしまうため使用する際には総務省への登録申請をする必要があるのです。
ただ電波を強くなったといっても壁に弱いという特性に変わりないため、これも避難先で使うだけに限定したほうが無難になります。
③一般業務用
④ MCA無線
本格的に使う場合には、一般業務用およびMCAという形になります。
これらは高出力の電波を発信するので壁の影響を受けずにきれいな音声で送受信ができるのです。
そのため正確な情報を伝えるのに役に立つので、災害時では最適な機器になります。
しかし壁の影響を受けずに遠方まで届かせる周波数を使うので、無免許の人間が使うと電波法に抵触することになるのです。
そのため便利ではあるのですが、使用する場合には事前に国家試験を受けて合格する必要があります。
連絡を取る方法として、普段は問題なく携帯電話を使用していると思いますが、
災害時には、これまで経験した方もいらっしゃると思いますが、
携帯電話が使えなくなることも想定されます。
携帯電話では送った情報を中継タワーに送ることになるので容量が限界を迎えると強制シャットダウンして使えなくなる恐れがあるため、災害時に正確な情報を伝えるためにはどのように連絡を取り合うか、手段を確認をしておくことも災害時の備えで必要なことでしょう。