レントシーバー

無線機とトランシーバーの発祥と無線通信の広がり

無線機とトランシーバーの発祥と無線通信の広がり

無線機は、無線通信を行うための機器を指しますが、一般的に無線機といえば業務用に使われるもので、身近なものではタクシーや防災といったものがあります。

現在では送受信することが可能なものが殆どですが、もともとは送信機と受信機に分かれていました。
このためラジオも無線機の一種で受信機が該当します。
送信機と受信機が分かれていた理由としては、昔は電子部品が真空管など物理的に大きく別々にする必要があったためです。
特に範囲が大きいものほど、大型化するものでした。

トランシーバーのような送受信可能なものが登場したのは、第二次世界大戦中でアメリカ軍が実用化したものです。
この小型で携帯可能なトランシーバーは、前線にいる兵士と後方の支援部隊との連絡に使われ、情報の伝達の速度を高めることに寄与しています。

もともと無線機は軍隊が利用しているものでしたが、小型化が進んだことで、その用途は自動車に搭載することが可能になり、警察や消防などでも用いられるようになり、また携帯電話といったものにまで用途は広がりました。

以前は有線による通信が主流だった分野でも、特に末端部に関しては無線通信が広く使われるようになっており、現代では高速大容量の無線通信が可能になっています。しかし、無線を行うということは電波を利用することです。
電波には利用できる範囲が法律で決まっているため、この制約の中で適切に使用することが求められています。

無線通信に欠かせない電波のルール

電波は電磁波に分類されるもので、光よりも周波数が低いものを指します。
周波数は周期的に変化する現象のことであり、交流電気などの表現にも用いられるものですが、空間を伝わる電磁波でも同様の現象がみられるものです。しかし、周波数は無限ではなく限りがあるもので、波長の低い順から長波・中波・短波・超短波・極超短波・ミリ波・サブミリ波などに分類されています。

ラジオの分類でいえば長波はFM、中波はAMとなるもので、周波数が高くなるほど物を通して電波が伝わりやすい性質があるものです。

無線通信を行う時には通信したい双方が任意の周波数に合わせる必要がありますが、その利用できる周波数帯には限りがあるため、これらは国によって厳しく規制されていますし、その電波の出力に応じて利用料の支払いが発生します。

これは電波が混ざることを防ぐことで適切な通信を確保するために行われていることで、このルールに違反すると処罰の対象となります。
無線機を利用する際には、この法律に抵触しない、または法律を遵守した利用を行うことが大切です。
また、トランシーバーといえば出力が小さく制限を受けないものというイメージがありますが、出力が高い機器もあるため注意が必要になります。特に電子機器の小型化やバッテリーの高性能化により、ハンディタイプのものであっても高出力のものがあり、そのような場合にはルールに則って届け出や有資格者が操作することが求められます。

周波数・チャンネル・出力とは?

周波数とチャンネルは同じ意味ですが、それぞれにチャンネルという固定の周波数が設定されています。
これにより予めチャンネルで周波数を設定しておけば、その数字に合わせて機器を調整する必要がありません。
このため利便性を高めることや、特定の範囲で通信を確実に行うためにチャンネルが設定されています。

出力は、電波を出すパワーのことです。出力が大きいほど電波は遠くまで届きます。
ただし出力が大きくより広い範囲に届くということは、それだけ他の使用者とぶつかってしまう可能性が高まり、雑音が入る原因になり、最悪の場合には正常な通信が不可能になることもあります。

このため、出力が大きい無線機やトランシーバーはルールに則って届け出や免許が必要になります。
基本的に届け出や免許不要で利用することができるのは、特定小電力トランシーバーで出力は0.01w以下、チャンネル数も20となっており通信距離は100mから200mです。

届け出が必要なものはデジタル簡易無線局と呼ばれるもので、登録と電波利用料を支払えば誰でも利用できるものになります。
5w以下で通信距離も1kmから3km、チャンネル数も30あり比較的規模の大きな工事現場やイベントなどで使われているものです。

また、従来のものとはまったく仕組みが異なるIP無線もあります。
これは携帯電話会社と契約して通信機のような感じで特定の相手と携帯電話の電波を用いて通信を行うというものです。
月額の定額料金となるため、費用は掛かりますが契約した携帯電話会社の電波の届く範囲であればどこからでも無線通信を行うことができます。

無線機にもさまざまな種類があり、その用途に合わせて導入することが大切です。
特に利用する現場の広さを考慮して、利用する範囲を選んで機種を選ぶ必要があります。

また、便利なトランシーバーも高性能なものもあるため、登録や免許について理解しておくことが大切です。

 

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